こんにちは余暇です。
この記事では東日本大震災での経験を踏まえて、災害時にあってよかったもの・便利だったものを紹介します。
私は福島県出身で東日本大震災の時、心身ともに大きなダメージを受けました。長期間ライフラインが止まり、買い物も満足にできず、心も体も健康とは言えない状態が続きました。
被災者としての経験を踏まえつつ「これを備えておくべき」というアイテムをシーン別にご紹介します。また、現在一児を育てる立場から、子育て中のパパママに知ってほしい防災情報も合わせて紹介します。
この記事はこんな方におすすめ
- 被災者目線であってよかったもの、便利だったものが知りたい
- 子育て家庭は何を備えておくべきなのか知りたい
- 地震直後〜復旧にかけて必要なものが知りたい
地震発生!揺れた直後に必要になったもの
3月11日、今まで経験したことのない揺れが襲いました。最初は「お、揺れてるな」程度でしたが、揺れは収まらず「あれ?大きい」と異変を感じた次の瞬間には……みなさんもよくテレビなどで見たであろう、あの揺れに襲われました。
よく地震が来たら机の下に避難と言いますが、震度6クラスになるとほぼ移動はできません。その場に頭を守って這いつくばるのがやっとでした。天井の照明のフレームが外れ近くに落ちてきたことを今でも覚えています。
揺れが収まり茫然自失の状態で、まず必要になったのは「避難経路の確保」でした。
避難経路を確保するために何が必要なのか?
うちの実家は古い木造一戸建てでそれこそ倒壊するかもしれないという恐怖もありました。
立て続けに大きな揺れが来ることを考え、まず避難経路の確保を優先しました。
避難経路の確保=玄関まで安全な道を作る、つまり物が倒れたり割れたり水がこぼれていたり、そんな荒れ果てた部屋を安全に歩けるくらいには片付ける必要が出てきました。そこで必要になったのは以下のものです。
- スリッパ(靴下も履く)
- 軍手
- ゴム手袋
- 新聞紙
- 大きめのゴミ袋(45リットル〜)
とりあえずスリッパと軍手だけでも用意しておきましょう。ガラスや陶器が割れて散乱しているのでケガをしないためです。靴下も履いておくと、安全性に加えて、すぐに靴を履いて逃げられるのでオススメです。
目についた大きな破片や、ぐちゃぐちゃになった観葉植物などをやれる範囲で袋に入れていきました。破片はゴミ袋を突き破る可能性があるので、新聞紙があると便利です。水気があるものを片付けるのにゴム手袋もオススメです。
注意ポイント
落ちてきたり倒れてきた家電や家具、散乱した本などは元に戻さずそのままにしておきましょう。これは震災後に得た防災知識ですが、同等の揺れが起きた時にまた同じように落下の危険性があるので、そのまま床に置いておくほうが安全です。
水が命!断水に備えて水を溜められるだけ溜める
大地震がきたら、まず家にある容れ物という容れ物全部に水を溜めてください。
東日本大震災では、上下水道が完全に復旧するまでだいたい1か月かかりました。
1ヶ月の間ごくたまに復活することもありましたが、またすぐ断水となり、深刻な水不足に悩まされました。更に言うと、たまに出ても錆色でとても飲む気になれません。
水がなければ生活できず、最悪命にも関わります。繰り返しますが大地震がきたらとにかく水を溜めてください。
- 浴槽いっぱいに水を溜める
- バケツや空のペットボトル、ゴミ袋にも水を溜める
- ポリタンクや給水バッグ
- じょうご(タンクからの移し替え用)
- 簡易トイレ
- 飲料水は500mlのペットボトル1ケース×家族の人数分
給水所で水をもらってくる時にポリタンクや給水バッグがあると便利です。我が家では石油用に買ってあった、使っていないポリタンクを使いましたが水を入れるとかなり重いので、欲を言うと転がして運べるカートが欲しかったです。もしくはキャリーバッグとか。
また、大きな容れ物のままだと使いにくいので移し替えるための「じょうご」も便利です。震災時、うちにはなかったのでクリアファイルを丸めて代用していました。
トイレはとにかく水を使う!ぜひ簡易トイレの備蓄を
我が家では幸いなことに、風呂の残り湯を洗濯のためにとっておく習慣があったので湯船に半分ほどは残っていました。しかし、それでも一週間ほどで使い切ってしまいました。一番水を使ったのはトイレを流す行為です。
我が家の反省から、ぜひ簡易トイレの備蓄を強くオススメします。
せっかくあった風呂の残り湯も、トイレを流すためにかなりの量を使ってしまいました……。今は優れた防臭袋つきの簡易トイレが売られていますので、節水するためにもぜひ備えておきましょう。
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震災翌日からの被災生活!あってよかったもの
大きくカテゴリーを分けると「明かり」「食事」「情報・娯楽」の3つです。順番に紹介していきます。
安心のために「明かり」は多く持とう
ただでさえ心身に大ダメージを負っているのに、暗い部屋にいたらどんどん心が沈んでいきます。明かりは心の安心にも繋がりますから、多すぎるくらい持っておきましょう。嘘みたいな話ですが、部屋が明るいとそれだけで少しホッとするんです。
- 懐中電灯、ランタン、授乳ライトなど
- (ペンライトやサイリウムもう光れば何でも良し)
- 乾電池の予備もしくはエネループ
「食事」は調理不要なものを1週間、要調理の食品を1か月
停電は思いの外長く、変則的に続きました。電気が復旧するまでは冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、電気ケトルなど普段当たり前に使っている家電がすべて使えません。
さらにスーパーに食品が入り始めるのは震災から2週間ほど経ってからでした。入荷したとしてもスーパーは常に長蛇の列、3時間待って入れたとしても欲しいものが買える見込みは薄いです。絶望的ですがこれが現実でした。
経験からオススメしたいのが、期間を区切って2種類の食品を備蓄しておくことです。
震災発生から1週間の食事は調理不要なものを
震災後1週間は電気もガスも水も使えないと思って、できる限り調理不要な食品を用意してください。
アルファ米や缶詰、カロリーメイトやゼリー飲料、おやつなどです。
なかでもオススメは「レスキューフード」。私も最近知って手に入れたのですが、なかに温めるための発熱剤が入っていて、火も水も使わずホカホカのご飯が食べられるという衝撃の商品です。カレーや中華丼など、具とごはんがセットになっています。常温で5年も保管できるのも心強いですよね。
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震災から1か月の間は保存が利く、要調理の食品を
前述の通り、震災から1ヶ月の間はほとんどスーパーが機能しないと思っていてください。
長蛇の列に並んで買い求めに行かずに済むよう「保存の効く食品」「簡易調理のためのツール」「栄養を補うサプリメント」のローリングストックをおすすめします。(ローリングストック=日常の中で使って、また買い足していく備蓄方法)
具体的にオススメなのが以下のようなアイテムです。
- カセットコンロと予備のガス缶
- ラップとアルミホイル
- カップラーメンや袋麺、粉末スープなど
- 鍋キューブなどそれだけで味が決まるもの
- 乾物(野菜やくだもの、きのこ類、海藻など)
- 野菜ジュースやビタミン系のサプリメント
注意ポイント
肉や魚の缶詰を備蓄している方が多いと思います。そこにぜひ「野菜とくだもの」を追加してください。
震災時は野菜がほとんど手に入らず(売っていても超高額)、ビタミン不足で肌がガッサガサ、常に口内炎で口が痛いという地獄になりました。精神的なストレスも加わってまるで改善しませんでした。
私は普段野菜を意識して食べませんが、震災時にそのありがたさを身に沁みて知りました。野菜嫌いな人でも、このときばかりは絶対に必要になると経験上確信を持って言えるので、ぜひ備蓄に加えてください。長期保存可能な乾燥野菜も売っています。
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命を守るための「情報」心を守るための「娯楽」
震災からしばらくの間、テレビもネットも震災の情報が溢れていました。
停電や断水、支給品などの日時や場所、スーパーやドラックストアの入荷情報は知りたいです。でもどこで何人亡くなったという情報は聞きたくないんです。これは被災者にしかうまく伝わらない表現かもしれませんが、情報は欲しくて要らないという心理状態になります。
- ラジオと予備電池
- スマートフォンと予備バッテリー
- 防災関連アカウントをフォローしたSNSアカウント
上記は必需品であり、必ず備えておくべきアイテムです。
しかし、経験を踏まえて言うなら情報を集めるのは必要最低限にして、あとは心を休めてください。小説、漫画、映画やドラマ、YouTube、ゲーム、おうちヨガ、室内遊具、歌なんでもいいです。とにかくあなたが楽しめるものや好きなものをそばに置いてください。
子どもがいるご家庭で備えておきたいもの
東日本大震災の時、私はまだ学生で、もちろん子どももいませんでした。子どもを持った今だからこそ考える、被災者目線で「あの時自分に子どもがいたらこれが必要だろうな」と思うものを挙げていきます。
最重要!「いつもの」を多めに備蓄する
繰り返しになりますが、震災後1か月はスーパーやドラックストアがまともに機能しません。つまり育児の必需品がまともに手に入らないという状況になります。
育児をしていいるパパママなら実感してると思いますが、赤ちゃんや子どもは「変化」に敏感です。地震が何なのか理解できなくても、親の様子から何か起きていると肌で感じて体調を崩したりします。
いつも使っているおむつ、いつも食べている離乳食、なるべく「いつも」を守れるようにぜひ育児必需品のストックは多めに!
- おむつ(約1か月分)
- おしりふき(大人にも使えるので便利)
- ミルク
- レトルトの離乳食や幼児食
- おやつやジュース類
- やさいジュレ(ビタミン不足になるので)
- うんち用の防臭袋(生ゴミの処理などにも使えて便利)
便利アイテム
ミルクは液体ミルクが便利です。明治のほほえみは、哺乳瓶なしで缶のまま飲める専用のアタッチメントもあります。
ただ粉ミルクと比べるとかなり値段が高いのと、かさばって重いのでたくさん保管するには向きません。
私のオススメは断水停電が続くであろう最低3日分程度を液体ミルクで、あとは粉ミルクで備蓄する方法です。
東日本大震災の時も、給水所で「赤ちゃん用のお湯」を用意していました。保温ポットなどにもらってくれば、最悪3日以上断水停電が続いたとしても粉ミルクで調乳が可能です。
明治 ほほえみ らくらくミルク 240ml(専用アタッチメント付き) 常温で飲める液体ミルク 【0ヵ月から】 ×6本 [0か月]
肌トラブルも想定されるので保湿剤やワセリンを
栄養がかたより、特にビタミン不足が考えられます。子どもはサプリメントを飲むわけにいかないので、やさいジュレなどを用意しておくといいと思います。(飲めるようであれば野菜ジュース、粉末青汁などでも!)
そしてそれでも皮膚がカサつくと思います。子どもの皮膚は大人の半分ほどの薄さとも言われているので、とても繊細です。ぜひ肌を守るために保湿剤やワセリンなどを用意しておきましょう。
子どもに使えるということは当然大人にも使えるので、汎用性があって便利です。
【保湿クリーム】ベビーワセリン 100g(乾燥肌 パラベンフリー)
絶対に必要な「薬」は切らさないように
誤解がないよう、経験を踏まえてお話させてください。
うちの祖母は一度脳卒中をやってから血圧の薬を常用しています。しかし、被災直後に薬が切れてしまって病院に行くことになりました。緊急時ですから、病院もいつもどおり機能していません。
さらに同じように診察を求める人で大混雑。自力では歩けない祖母を連れて、殺伐とした病院で長時間待つのは心身に堪えました。
緊急時に急いで病院に行く必要がないよう、もしできることなら常用薬は「明日切れる」「あと3錠しか無い」とギリギリになるより早めに再診することを勧めたいです。必要以上に多く処方してもらえという意味ではありませんので、そこはご理解ください。
ポイント
お年寄りと同じように、こどもも病院にかかる機会が多いと思います。内服薬に限らず、塗り薬など毎日使っているものがあれば、残量ギリギリになる少し前に再診することをオススメします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
東日本大震災の被災者の立場から、被災時にあってよかったもの、便利だったものをご紹介しました。当然ですが、地震はある日当然起こります。生活を一転させる出来事があなたや、あなたの家族に降りかかる可能性と常に隣り合わせです。
誰かの後悔をひとつでも減らすためにこの記事が役に立てば幸いです。
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